ある歩道で私は、ティッシュ配りのバイトをして
いた。走ってくる自転車の前にふらっと飛び出し
たおばあちゃん。私はそれに気づき、危ないっ!
と思った瞬間、兄ちゃんが急ブレーキをかけ、す
かさず「危ねーだろがババア!」と怒鳴った。確
かに完全におばあちゃんの不注意。でも言い方が
キツイ。私は思わず「ちょっと…」って言いかけ
たその時、兄ちゃんは「おめぇーが死んだら孫と
かじじいとか悲しむだろがっ」と。あまりにも予
想外な言葉だった。謝るおばあちゃんに兄ちゃん
は「うるせーないいから荷物貸せ! カゴ入れてっ
てやっから!つーかケガねぇかババア!ああ!?」
と。脅してんのか気遣ってんのか・・・。結局兄
ちゃんはおばあちゃんに付き添って来た道を引き
返していった。おばあちゃんと兄ちゃんは何か会
話してるみたいでおばあちゃんは笑顔だった。数
分後、自転車で戻って来たその兄ちゃんにティッ
シュ渡しながら「優しいんですね」って言ったら、
「別に優しかねーよ!」と。でもその後で小声で
「ババアやジジイを大事にすんのは普通のことだ
ろが」と言っているが聞こえた。
惚れそうになった。
投稿者 千葉県 男性