転勤(左遷)の果て・・・

数年前、私は管理職のキャリアウーマンとして毎

日忙しい日々を送っていました。そんなある日、

私は業績不振により、ある田舎へ左遷されました。

悔しさ、腹立たしさ、情けさ、様々な気持ちが

入り混じり胸が張り裂けそうな気持ちでした。空

港に降り立ち、始業時間まで喫茶店へ立ち寄りま

した。コーヒーを持ってきてくださった店長さ

が初めて接する土地の人。私は左遷の苛立ちで、

酷い言葉を浴びせてしまいました。

「来るはずじゃなかったんです、このところ。」

「私はこんな場所じゃなく、本当は本社に居るべ

き人間なんです。」「すぐにでも帰りたい。」と。

店長さんは静かに聞いて下さり、最後に一言だけ

言いました。「・・・でもね、ここをあなたが去る

時、きっと名残惜しくなると思いますよ」と言わ

れました。それから毎日必死に働きました。

本社に帰りたい一心で。そうするうちに、一人、

また一人と仲良くなるお客様たち。素朴な彼らの

身近な出来事の笑い話、悲しい話に聞き入り、地

元の名物に舌鼓を打ったり、いつしか私は、親切

な地元の人達の中で生活する事が楽しくなりまし

た。そして6ヶ月が経過した頃、本社へ栄転で戻

る辞令を受けました。と同時に、この地を離れる

ことが寂しく、心で涙している自分がいました。

もっといたい・・。空港への行きがけに、喫茶店

に寄りました。店長さんは留守でしたが、名刺に

6ヶ月前の非礼の詫びと御礼を書き添え、渡して

頂くよう伝言しました。機内で眼下に見える街を

眺めながら、私は涙があふれました。店長さん、

地元の人達、そしてあの県に、今でも感謝の気持

ちでいっぱいです。

投稿者 神奈川県 女性

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